駄目押しという言葉、スポーツの種目によっては特別問題視されることが無い言葉です。ただし、相撲になった場合に、駄目押しは絶対に許さる行為ではありません。
そもそも駄目押しとは、土俵を割った相手、勝敗が決まった相手に対して更に技をかける行為を言います。由来については囲碁から来ていると言われています。
囲碁の終局後に、どちらの陣地にもならない領域をダメと言い、念のため、ダメを埋めて地を分かりやすくするために石を置くことを駄目押しという。ここから派生して、既に勝負が決まっている時に、さらに勝負を確実にするために念を押すことを駄目押しというようになった。
Wikipedia 駄目押し。より引用
例えば、相手力士が完全に土俵を割っていない状態であれば、しっかりと決着をつけるために技をかけるのは当たり前ですよね。もし割ってなかったら自分が負けてしまいますので…。
相手が完全に土俵を割って「勝負があった状態」で相手に技をかけます。
そうすると、相手は負けたと思って力を緩めているところ技をかけられる事になるので、全く力が入っていない可能性も有り、大きく土俵外に落ちてしまう可能性が高くなります。
相手力士の怪我だけでなく、土俵下の観客に対して非常に危険性が増してしまいます。
もちろん、土俵際というところは生き死にをかけるくらい重要な場面ですから、相手が土俵を割ったのがしっかり確認することが出来ていない場合もあり、一概に駄目押しだと言えないケースもあります。
相撲の駄目押しを他のスポーツの例に取るなら、一時期大問題となって世間を賑わせた「日大フットボールのタックル」問題。あれは、既にホイッスルが鳴ってプレーが切れている状態のところにタックルを食らわせています。
タックルを食らった側からすれば、プレーが切れているので力を抜いていますよね。そこに横から猛然とタックルを食らわせればどうでしょうか?かなりのダメージを背負ってしまいますよね。
相撲の場合には、死角から急に飛んでこないので影響は少なそうに見えますが、相手によっては200キロにもなる力士です。そんな力士が力の入っていない状態で技をかけてきたら飛んでしまうでしょう。
ただし!横綱・白鵬の場合には明らかな駄目押しが多々見られてきました。なぜ、白鵬は駄目押しをするのでしょうか。
白鵬が駄目押しする理由を考えてみた!(個人的な想像)
横綱白鵬ともなれば、品格を最重要視して行動して欲しいところですがそんな簡単なものではないようです。
白鵬がこれまで何度も駄目押しをする姿を見てきました。
相手が明らかに土俵を割って、勝負が着いた状態で白鵬は駄目押しをする。非常に危険な行為を横綱ともあろう人がどうしてやってしまうのか不思議でなりません。
本人が駄目押しについて語ることはありませんので、想像するしかありません。
1.相手への声援が大きくてムッとしてしまった。
白鵬ほど強くなってしまうと、もはや強すぎて憎いレベルですから相手力士への声援が大きくなりがちです。特に地元力士などが白鵬と対戦することになれば、相手への声援がほとんどとなります。
白鵬としては面白いわけがありません。
流石にムッとした感情もあるでしょうから、勝ったことで「どうだ!」と言わんばかりに駄目押しをするのではないでしょうか。
2.張り手などを食らって頭に血がのぼる。
やはり横綱ですから、張り手を食らうことには敏感になってしまうでしょう。「俺様に向かってなんてことするんだ!」とでも思い、血がのぼってしまう。
勝ったことでその鬱憤を晴らしたかに思えますが、更に駄目押しして自分の強さを誇示しようとしているのではないでしょうか。
3.もっと頑張れよ!という気持ち。
これは同郷・逸ノ城戦での駄目押しで感じたことですが、逸ノ城が不甲斐ない相撲内容で白鵬に圧倒されて負けてしまった一番ありました。
その時に、もっと頑張れよ!とでも言うかのように駄目押しをする。そのように感じました。
トータル的には、白鵬の駄目押しは完全なる駄目押しが非常に多い。そのたびに、言い訳をしていますが明らかな確信犯だと個人的には思っています。
白鵬は強すぎて、周りの人間も注意できなくなってしまったことで天狗にさせてしまったのではないでしょうか。もはや、天狗を通りこして相撲の神となった気でいるかもしれません。
ですが、相撲での強さは誰も止めることが出来ないものまた事実です。
2014年に白鵬が明らかな駄目押しをした際に、審判部からは苦言を呈されている反面で、同時の相撲協会理事長の元横綱・北の湖からは「あれくらいは横綱としていい、叩きつける感じが」と逆に褒めれられています。
横綱としての威厳を保つ上で良いかもしれませんが、あくまでも取組み内で行って欲しいものです。