相撲に関する豆知識

雲竜型/不知火型 | 横綱土俵入りの型の相違点と歴代横綱が選んだ型を紹介!

横綱土俵入りといえば、本場所でも一番の盛り上がりを見せる場面です。土俵入りの型には「雲龍型」「不知火型」の2つがあります。

元々は力士が自由に土俵入りの型を持っていたのですが、雲龍型と不知火型の2つが定番となったのには理由があります。

第4代横綱・雲龍、第5代横綱・不知火の土俵入りが素晴らしかったために、その後はどちらかの型を取りいれ土俵入りを行っていきます。

そして、第20代横綱・梅ヶ谷と第22代横綱・太刀山によって2つの型が今の形に築き上げられる形になったと言われています。

では、雲龍型と不知火型の違いについて解説していきます。

横綱土俵入りの雲龍型と不知火型の違いは?

雲龍型:守りの左手、攻めの右手と言われる雲龍型は攻守の両方を大事にしていると言われています。左手は脇腹に、右手は右前に腕を伸ばして広げます。

不知火型:腰を落として、両腕を左右に大きく広げる攻撃型の不知火型。攻めの型と言われているため、諸刃の型でもあります。

見た目の違い

後ろの綱の輪が1つになっているのが雲龍型。輪が2つになっているのが不知火型。

共通している点は、構え以外は、せり上がりや四股を踏む順番、柏手や塵手水などの所作は同じ。

横綱土俵入り前にどちらの型か見分けるなら、綱の輪が1つか2つで判断してみてください。

輪が2つある不知火型の方が、長さがある綱を使うのでそれだけ重みも増すことになります。

歴代横綱は雲龍型と不知火型のどちらを使っていた?!

直近の横綱ですと、雲龍型には朝青龍、鶴竜、稀勢の里がいます。不知火型には、白鵬と日馬富士がいます。

四股名代目
雲龍雲龍型4代目
不知火不知火型5代目
梅ヶ谷 (2代)雲龍型20代目
太刀山不知火型21代目
鳳谷雲龍型24代目
西ノ海 (2代)雲龍型25代目
大錦雲龍型26代目
栃木山雲龍型27代目
大錦雲龍型28代目
宮城山雲龍型29代目
西ノ海 (3代)雲龍型30代目
常ノ花雲龍型31代目
玉錦雲龍型32代目
武藏山雲龍型33代目
男女ノ川雲龍型34代目
双葉山雲龍型35代目
羽黒山不知火型36代目
安藝ノ海雲龍型37代目
照國雲龍型38代目
前田山雲龍型39代目
東富士雲龍型40代目
千代の山雲龍型41代目
鏡里雲龍型42代目
吉葉山不知火型43代目
栃錦雲龍型44代目
若乃花(初代)雲龍型45代目
朝潮雲龍型46代目
柏戸雲龍型47代目
大鵬雲龍型48代目
栃ノ海雲龍型49代目
佐田の山雲龍型50代目
玉の海不知火型51代目
北の富士雲龍型52代目
琴櫻不知火型53代目
輪島雲龍型54代目
北の湖雲龍型55代目
若乃花(2代目)雲龍型56代目
三重ノ海雲龍型57代目
千代の富士雲龍型58代目
隆の里不知火型59代目
双葉黒不知火型60代目
北勝海雲龍型61代目
大乃国雲龍型62代目
旭富士不知火型63代目
雲龍型64代目
貴乃花雲龍型65代目
若乃花不知火型66代目
武蔵丸雲龍型67代目
朝青龍雲龍型68代目
白鵬不知火型69代目
日馬富士不知火型70代目
鶴竜雲龍型71代目
稀勢の里雲龍型72代目

これまで、歴代の横綱53名が雲龍型と不知火型のどちらかを選んで土俵入りをしてきました。

横綱土俵入りの型の割合
・雲龍型:41名(77.4%)
・不知火型:12名(22.6%)

以上のように、圧倒的に雲龍型を選ぶ横綱が多いことが分かります。元々、どちらの型を選ぶかは横綱自身が選べるものではありますが、代々・一門で受け継がれてきた型があります。

その型を選んで横綱土俵入りに使うのが一般的と言われています。

第72代横綱・稀勢の里の場合には雲龍型を選び、同じ二所ノ関一門の芝田山親方(第62代横綱大乃国)に雲龍型を教えてもらっていました。

第70代横綱・日馬富士の場合には、師匠の伊勢ヶ濱親方(第63代横綱・旭富士)と同じ不知火型を選んでいます。

貴乃花と若乃花兄弟の場合、先に横綱になった貴乃花が雲龍型を選んだので若乃花は不知火型を選んだといわれています。

不知火型を選ぶと短命に終わると言われていることから、不知火型は良くないとされてきました。ですが、言わずと知れた幕内最多優勝回数を誇る白鵬は不知火型。

雲龍型を選んだ横綱の中にも短命で終わった力士は存在しています。あくまでも、ジンクスや迷信程度に考えるのが妥当でしょう。

大相撲・横綱の意味とは?昇進条件と過去の昇進成績をまとめてみた!大相撲の番付最上位に位置する「横綱」ですが、意味を理解している方は意外に少ないようですね。 横綱すごい!横綱強い!横綱かっこいい!...

 

 

 

 

RELATED POST