大相撲に欠かすことの出来ない行司!一瞬にして勝敗を判断しなければいけない実に厳しいお仕事です。
かなりの神経を使うでしょうし、動体視力などもしっかりとしていないと務まりませんよね。
今回は行司さんにスポットを当てて、軍配や衣装、式守伊之助と木村庄之助の違いについて紹介していきます。
行司の軍配や衣装について解説!短刀を身につける理由は?
まずは、行司の格についておさらいしておきましょう!
- 立行司
- 三役格
- 幕内格
- 十両格
- 幕下格
- 三段目格
- 序二段格
- 序ノ口格
行司の中で最も階級が高いのは「立行司(たてぎょうじ)」と言われる階級です。立行司には式守伊之助と木村庄之助の二人が居ます。
この行司階級によって、軍配や衣装が変わってきますが基本的には、「軍配」「烏帽子(えぼうし)」「直垂(ひたたれ)」を着用し、階級によって他の衣装は持ち物が変わってきます。
- <立行司の場合>
立行司は式守伊之助と木村庄之助でそれぞれ衣装や軍配が違いますが、最も華やかである点は変わりありません。
軍配も代々受け継がれてきたものを使用したり、印籠の他に「短刀」を携えています。
違いは房の色で、式守伊之助が「紫と白」で木村庄之助が「総紫」となっています。
短刀を携えている意味は、もしも行司軍配お差し違いがあったら切腹する覚悟があるという意味を持っています。それくらいの気持ちで行司を務めているということです。
もちろん、人間ですから差し違えもありますし切腹もしません。あくまでも覚悟の現れで、短刀を持っています。
- <三役格>
三役格は、立行司とほとんど同じですが短刀は携えていません。房の色は「赤色(朱色)」となっています。
- <幕内格・十両格>
この階級は草履は履けませんが、足袋の着用が出来ます。幕内格の房の色が「紅白」で、十両格が「青と白」になっています。
- <幕下格・三段目格・序二段格・序ノ口格の場合>
基本的な衣装や軍配の他には、この階級らは草履や足袋を着用することが出来ません。素足で土俵に上がって行司を務めています。
房の色は「黒色」または「青色」に限定されています。
<まとめ>
- 立行司→「直垂」「烏帽子」「軍配」「足袋」「草履」「印籠」「短刀」
- 三役格→「直垂」「烏帽子」「軍配」「足袋」「草履」「印籠」
- 幕内格、十両格→「直垂」「烏帽子」「軍配」「足袋」
- 幕下格、三段目格、序二段格、序ノ口格→「直垂」「烏帽子」「軍配」
式守伊之助と木村庄之助の違いは「手」と「色」
式守伊之助と木村庄之助は立行司と言われる階級で、いわば行司の横綱とでも言える最高位なのです。
そもそも式守と木村の違いですが、どちらの性を名乗るかは自分で決めることは出来ません。行司さんも各部屋に所属していますので、部屋によって式守性か木村性が既に決まっています。
元々は、式守や木村以外にも一式、岩井、鏡山、木瀬、五条、長瀬、服部、吉岡、尺子と言った性もありましたが、現在は式守と木村のみとなっています。
式守伊之助と木村庄之助の違いですが、立行司の中でも重みは木村庄之助にあります。式守伊之助が西横綱だとすれば、木村庄之助は東横綱にあたります。
基本的に式守か木村は部屋によって決まっていると言いましたが、木村庄之助になるためには式守伊之助からの昇格しかありません。
式守伊之助になるためには、三役格行司から上がり名乗る流れになります。
流れとしては「三役格行司」→「式守伊之助」→「木村庄之助」の順に昇格していくことになります。式守伊之助を飛ばして、いきなり木村庄之助になることはありません。
そのほかの違いと言えば衣装のところでお話したように、房の色が式守伊之助「紫と白」、木村庄之助「総紫」となっていて色で分かるようにもなっていますね。
また軍配の持ち方にも違いがあって、式守は「手の甲を下向きにして」、木村は「手の甲を上向きにして」軍配を持ちます。
ちなみに、最高位の木村庄之助は2015年3月場所を最後に空位となっています。
本当なら、式守伊之助が木村庄之助に昇格するはずだったと思うのですが、不祥事によって式守伊之助と木村庄之助の両方が空位になってしまいましたね。
2018年9月にようやく、三役格の11代目式守勘太夫が41代式守伊之助を襲名が決定し、12月25日正式に式守伊之助誕生となる運びです。
2019年1月場所より、11代目式守勘太夫が41代目式守伊之助として土俵にあがり、立行司の不在という事態から脱出しました。
行司さんは大相撲に欠かせない立場、構え一つを取ってもかっこよくて力士同様に注目してしまいますね。今後も、行司さんについて深掘りして行きたいと思っています!