大相撲の取組みで、横綱を倒したときに「やりました!金星です!!」と言った実況を耳にしたことがあるかと思います。
金星=横綱を倒すこと、と思いがちですが、実は三役力士が横綱を倒しても金星とはなりません。
つまり、大関・関脇・小結の力士が横綱に勝っても金星にはならないのです。当たり前ですが、三役ともなれば横綱に勝っても全く不思議ではないので一々金星なんて言いません。
金星とは、三役以外の平幕力士が横綱を倒すこと。
そして、金星を獲得すると実は手当ての支給に大きな影響を与えてきます。本場所で金星を1つ獲得したら、10円支給額が増えます。
力士褒賞金の支給標準額は、本場所相撲の成績により増加する。その方法は、次による。
2.幕内力士(大関三役を除く)にして、横綱より勝星をえたときは、特別に金十円を増加する。
たった10円と思うかもしれませんが、実はこの支給額に4,000倍したものが本場所の報奨金となり力士に支給されるのです。
ですから、金星1つで4万円の支給額アップに繋がるのです。
20歳の時に金星を1つだけ獲得した仮定で計算してみます。年6場所あるので24万円の支給額になり、力士を35歳まで続けられたら15年なので360万円を得る計算になります。
かなりの金額になりますよね!たかが10円、されど10円ということなのです!
37歳・嘉風関を例にして計算してみましょう。
本場所 | 金星数 | 経過場所数 | 4万円×場所数 |
2014年7月場所 | 1個 | 26場所 | 104万円 |
2014年9月場所 | 1個 | 25場所 | 100万円 |
2015年9月場所 | 2個 | 19場所 | 152万円 |
2016年7月場所 | 1個 | 14場所 | 56万円 |
2017年3月場所 | 1個 | 10場所 | 40万円 |
2018年1月場所 | 2個 | 5場所 | 40万円 |
2018年9月場所 終了時点 |
8個 | - | 492万円 |
嘉風関は2018年9月場所終了時点、金星を8個獲得。場所ごとに4万円を増やしていると計算したら、約500万円もの支給額を金星だけで獲得している計算になりました!
税金を支払うとは言え、なかなかの金額になりましすよね。
金星を獲得するというのはそれだけ嬉しいものでありますので、力士として1つでも多く獲得したいところでしょう。
金星配給数雨の多い横綱ランキングを紹介!
北の湖 | 53個(0.84個/1場所) |
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日馬富士 | 40個(1.29個/1場所) |
輪島 | 39個(0.82個/1場所) |
貴乃花 | 39個(0.79個/1場所) |
柏戸 | 35個(0.74個/1場所) |
曙 | 35個(0.72個/1場所) |
日馬富士は1場所あたりの金星配給数が突出して多い数字になっています。日馬富士は横綱として体が大きい訳ではなかったので、どうしても金星配給数も多くなってしまったのではないでしょうか。
ちなみに、第49代横綱・栃ノ海は配給率が1.94個/1場所となっている金星高配給横綱です。
また、2017年に横綱に昇進した稀勢の里は11月場所で5つの金星配給をし、1場所での歴代最多タイを記録しています。
金星は力士にとってお金の面でも心の面でも、モチベーションになります。横綱にとっては、少しでも金星配給数を少なくするのも務めと言えるかもしれません。