相撲に関する豆知識

相撲廻しの色の違いや締め方は?取れたら反則負け!?

力士が使う廻しは主に3種類で「締込」「稽古廻し」「化粧廻し」があります。

まず「稽古廻し」ですが、これは稽古に使う廻しの事を言います。稽古では白色の廻しは「番付が十両以上の関取」、黒色は「幕下以下の力士養成員」が着けています。

化粧廻し」は十両以上の関取が土俵入りの際に付けるものを言います。化粧廻しは、博多織や西陣織で作られていて、図柄については特に指定されていません。

土俵入りを見ているとかなりカラフルな絵柄を使っている力士もいれば、質素な絵柄にしている力士もいますね。

締込」は力士が本場所で使用する廻しの事で、幕下以下の力士は黒色の稽古廻しを本場所でも使用します。

締込は長さ約9メートル、幅80センチ程度。1本100万円以上とも言われています。

一方、十両以上の関取は稽古廻しとは別に博多織で作られていて、力士が好きな色を使って廻しを使っています。基本的には、黒色か茄子紺がベターですがオレンジ色など目立つものもありますね。

番付上位陣のカラーは、あまり派手な物を使わないようになっていますね。

廻しの締め方は、まず縦に4重から6重に折ってから使います。胴回りには6重になるように、水を含ませながら巻き付けていきます。水を使うことで廻しがガチガチになるので、相手に廻しを取りづらくさせる効果があります。

相撲廻しが取組みで取れてしまったら「不浄負け」となる!

もしも廻しが取れてしまった場合、残念ながら廻しが取れた方の負けとなってしまいます。このような負け方を「不浄負け」とも言いますね。

不浄負けとは、局部が露わになってしまうことを言います。

 

【勝負規定】第十六条
前褌がはずれ落ちた場合は、負けである。

財団法人 日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定。より引用

 

ですから、局部が露わにならなければ負けにはなりません!たとえ、廻しが緩んだとしても局部が見えなければセーフという扱いです。

取組み中に、廻しの前立みつ(局部が収まっている縦の廻し部分)に手を入れたりすると反則負けとなります。故意に局部を露わにさせようと悪巧みをすると反則負けになってしまうのです。

また、取組前や勝負が着いたあとに局部が露わになっても勝敗には関係ありません。あくまでも取組み中に露わとなった場合のみ不浄負けとなります。

廻しはガチガチに締めて、まず取れないようになっています。力士によって、稀に「ゆるふん」と呼ばれるような緩めにしておいて相手が廻しを掴んでも伸びて力が入らないようにしていることがあります。

こういった場合には、反則負けにはなりませんが相撲協会から注意を与えて、しっかり廻しを締めるように指導するケースが稀に発生していますね。

過去に不浄負けと裁定された取組みは2例あります。
・1917年5月場所3日目:十両男嶌と幕下友ノ山→男嶌の不浄負け
・2000年5月場所7日目:三段目千代白鵬と三段目朝ノ霧→朝ノ霧の不浄負け

1917年はあってもおかしく無さそうですが、2000年になって不浄負けがあったとは信じられませんよね。

ちなみに、朝ノ霧が不浄負けを喫してしまった理由について「体が痩せたので廻しを切って調整したが、また体が元に戻って今度は廻しが足りなくなってしまった」とのこと。不浄負けのあと、すぐに廻しを買い直したそうです…。

余談ですが、不浄負けした際に付けていた廻しは、好角家・やくみつるさんに譲渡したというお話があります。

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