大相撲の世界で、付け人(付き人)は欠かせない存在です。関取の身の回りのお世話をしたり、親方の身の回りのお世話をしたりと、縁の下の力持ちと言っても過言ではありません。
ですから、付け人は部下ではありませんし、何でも言うことを聞いてくれる奴隷でもありません。付け人を大切にしない関取は、力士として成長することもないでしょう。
そんな付け人について、今回はご紹介していきたいと思います。付け人を知れば、さらに相撲が面白くなってきますんのでチェックしてみてください。
相撲の付け人の仕事や人数は何人?お給料はいくら貰える?
付け人の仕事は、関取の身の回りのお世話になります。本場所になれば、関取の締込や化粧廻しをつけたり、道具を運んだり、座布団の用意をしたりと大忙しです。
土俵下に入る時間を管理したり、通路などでウオーミングアップの手伝いや話し相手にもなっています。
主に、所属部屋の幕下以下の力士が付け人をしますが、もし足りないようなら同じ一門から人を借りて付け人を付けることになります。
- 十両:2名~3名
- 幕内:3名~4名
- 横綱:8名~10名
横綱ともなれば、自分の所属部屋力士だけでは付け人をまかないきれないくらいの人数が必要となります。
お給料については、付け人としてのお給料は基本的にありません。それぞれ所属している部屋から支給されるお給料や、本場所での手当て、そして優勝賞金などは貰えます。
あとは、関取衆からご飯を御馳走になったりすることは多いようです。
付け人はお金をもらうためにするものではなく、どちらかと言うと関取の近くで相撲道を学ぶという意味合いが強いのではないでしょうか。
関取や親方の身の回りの世話をすることで、力士として成長することが出来ます。関取としての立ち振舞い、付け人への接し方、関取になるために必要なことなど。
決して、お金では買えない価値が付け人にはあると言えます。
もちろん、どんな人の付け人になるかによっては大きく力士人生が変わってしまうこともあるでしょう。
若くして関取になった場合には、角界のルールや掟をしらないケースも少なくありません。ですから、兄弟子(関取より上の年齢)をあえて付け人にして、いろいろなことを学ばせることもあったりします。
兄弟子にとっては自分より番付が上ですが、弟弟子という面では複雑かもしれませんね。ですが、そういった感情を割り切って付け人に徹していくのが角界の掟と言えるでしょう。
付け人に対して愛情を持って接してくれる関取の近くにいれば、力士としての成長が期待できるでしょう。もちろん、愛情とは時には厳しく躾ることも入っています。
逆に、付け人を顎で使うような関取の付け人になってしまえば、角界に居ること自体にネガティブなイメージを持ってしまうかもしれませんね。
どんなことがあろうと付け人に暴力を振るうような関取はいけません。全てを付け人のせいにして、自らの責任を省みないような関取はダメです。
付け人も稽古をしなければなりませんので大忙しです。起床時間は5時など早朝になり、夜遅くまで付け人として働きますので、自分の時間はほとんど持てません。
この当たりもどの力士に付くかによって大きく変わってきそうです。
ですから、関取にとって付け人にとってもどちらにとってもメリットとなる関係性が理想的と言えるでしょう。
幕内力士の嘉風には、友風という力士が付け人についています。友風は十両昇進したあとも関取ではありますが、嘉風たっての希望により付け人の仕事をしています。
本来は、関取に上がれば付け人から離れることが多いのですが、友風の場合には嘉風との信頼関係が出来ていることや、友風が嘉風の近くで相撲道を学びたいと考えているので成立しています。
嘉風も友風のことを大変かわいがっていますので、こういった関係性が関取と付け人の理想かもしれません。もちろん、嘉風のことですから厳しいことも言っていることでしょう。