番付表

大相撲・大関の意味とは?昇進条件と陥落条件についてまとめてみた!

大相撲の番付表で二番目に位置づけされている「大関」ですが、本当の意味を知っている方はあまりいらっしゃらないようですね。

もし、大関とはどんな意味ですか?と聞かれてもピンと来ない人が多いのではないでしょうか。

そこで、大関の意味や関脇から大関に昇進できる条件などを紹介して大関を深掘りしていきます。

大関の意味は「関取の第一人者!」

現代の大相撲では、大関は横綱の次に強いランク付けになっています。その昔、大関が最もランク付けの高い番付でした。

こちらの『大相撲・横綱の意味とは?昇進条件と過去の昇進成績をまとめてみた!』でも書いていますが、横綱は元々免許制度であって、強ければ誰でもなれるわけではありませんでした。

大関とは、関取の「関」に褒め称える意味を込めた「大」を付けて、大関となっています。

今でこそ横綱の地位が高いものになってしまったため、大関は最強クラスの力士ではなくなりました。横綱同様に、大関へ昇進するには一定以上の成績を収めなければ昇進出来ないので最強に近い力士と言えます。

千秋楽には、「これより三役揃い踏み」というアナウンスとともに、大関、関脇、小結が土俵に上がります。

そして、大関は横綱を除いた中で最高位となり、敢闘賞・技能賞・殊勲賞の三賞受賞対象からは外されています。

また、三役クラスが横綱から勝ち星を上げても金星にはなりませんので、大関も対象外となります。

関脇から大関への昇進条件と陥落条件とは?

相撲協会では関脇から大関への昇進条件として「3場所連続で関脇または小結の地位にあり、通算勝ち星が33勝以上」であることとされてます。

しかし、33勝に満たない力士であっても相撲内容や優勝力士との勝ち星差などによって、32勝でも大関に昇進した力士は過去に存在しています。

1990年以降では、25人の力士が大関へ昇進を果たしていますが33勝未満で昇進した力士は、「千代大海」「稀勢の里」「豪栄道」の3力士のみで、いずれも3場所の通算勝ち星が32勝でした。

優勝…赤色
同点優勝…水色
準優勝…黄緑色

四股名 3場所前 2場所前 1場所前 3場所合計勝敗 幕内優勝回数 最高位 大関在位
1990年5月場所 霧島 小結・10勝5敗 小結・11勝4敗 関脇・13勝2敗 34勝11敗 1回 東大関 16場所
1992年7月場所 小結・13勝2敗 関脇・8勝7敗 関脇・13勝2敗 34勝11敗 11回 64代横綱 4場所
1993年3月場所 貴ノ花 小結・14勝1敗 関脇・10勝5敗 関脇・11勝4敗 35勝10敗 22回 65代横綱 11場所
1993年9月場所 若ノ花 小結・14勝1敗◎ 関脇・10勝5敗 関脇・13勝2敗 37勝8敗 5回 66代横綱 29場所
1994年3月場所 貴ノ浪 関脇・10勝5敗 関脇・12勝3敗 関脇・13勝2敗 35勝10敗 2回 東大関 37場所
1994年3月場所 武蔵丸 関脇・8勝7敗 関脇・13勝2敗 関脇・12勝3敗 33勝12敗 12回 67代横綱 32場所
1999年3月場所 千代大海 関脇・9勝6敗 関脇・10勝5敗 関脇・13勝2敗◎ 32勝13敗 3回 東大関 65場所
1999年9月場所 出島 小結・9勝6敗 関脇・11勝4敗 関脇・13勝2敗◎ 33勝12敗 1回 東大関 12場所
2000年5月場所 武双山 小結・10勝5敗 関脇・13勝2敗◎ 関脇・12勝3敗 35勝10敗 1回 東大関 27場所
2000年7月場所 雅山 小結・12勝3敗 関脇・11勝4敗 関脇・11勝4敗 34勝11敗 0回 西大関 8場所
2000年9月場所 魁皇 小結・8勝7敗 小結・14勝1敗◎ 関脇・11勝4敗 33勝12敗 5回 東大関 65場所
2002年1月場所 栃東 関脇・10勝5敗 関脇・12勝3敗 関脇・12勝3敗 34勝11敗 3回 東大関 30場所
2002年9月場所 朝青龍 関脇・11勝4敗 関脇・11勝4敗 関脇・12勝3敗 34勝11敗 25回 68代横綱 3場所
2006年1月場所 琴欧州 小結・12勝3敗 関脇・13勝2敗 関脇・11勝4敗 36勝9敗 1回 東大関 47場所
2006年5月場所 白鵬 小結・9勝6敗 関脇・13勝2敗 関脇・13勝2敗 35勝10敗 41回 69代横綱 7場所
2007年9月場所 琴光喜 関脇・10勝5敗 関脇・12勝3敗 関脇・13勝2敗 35勝10敗 1回 東大関 17場所
2009年1月場所 日馬富士 関脇・10勝5敗 関脇・12勝3敗 関脇・13勝2敗 35勝10敗 9回 70代横綱 22場所
2010年5月場所 把瑠都 関脇・9勝6敗 関脇・12勝3敗 関脇・14勝1敗 35勝10敗 1回 東大関 15場所
2011年11月場所 琴奨菊 関脇・10勝5敗 関脇・11勝4敗 関脇・12勝3敗 33勝12敗 1回 東大関 32場所
2012年1月場所 稀勢の里 関脇・10勝5敗 関脇・12勝3敗 関脇・10勝5敗 32勝13敗 2回 72代横綱 31場所
2012年5月場所 鶴竜 関脇・10勝5敗 関脇・10勝5敗 関脇・13勝2敗 33勝12敗 5回 71代横綱 12場所
2014年9月場所 豪栄道 関脇・12勝3敗 関脇・8勝7敗 関脇・12勝3敗 32勝13敗 1回 東大関 25場所
2015年7月場所 照ノ富士 前頭2枚目・8勝7敗 関脇・13勝2敗 関脇・12勝3敗◎ 33勝12敗 1回 東大関 14場所
2017年7月場所 高安 小結・11勝4敗 関脇・12勝3敗 関脇・11勝4敗 34勝11敗 0回 東大関 8場所
2018年7月場所 栃ノ心 前頭3枚目・14勝1敗 関脇・10勝5敗 関脇・13勝2敗 37勝8敗 1回 西大関 2場所

※豪栄道、高安、栃ノ心の大関在位場所数は2018年9月場所までの数字

また、「照ノ富士」「栃ノ心」の2力士はいずれも3場所前の番付が、前頭であり平幕だった珍しいケースです。基本的には3場所前は小結以上が条件となっていますので、基準外とも言えますね。

そして、横綱と違って大関は関脇以下に降格することがあります!!

降格条件は「2場所連続で負け越し」となりますが、次の場所で10勝以上を上げれば大関へ復帰することが出来る特権も持ち合わせています。

極端な話、2場所連続大きく負け越したとしても、次の場所で10勝できれば大関へ返り咲けるという訳です。

また、大関として負け越し次場所を迎えた際には、「カド番」と言って瀬戸際状態となりプレッシャーのかかる場所を迎えることになります。

横綱は降格しない特権がある反面、成績が奮わなければ「引退」の二文字が常に付きまといます。一方で大関は降格する反面、負け越してカド番を迎えても猶予が与えられています。

大関から横綱に昇進するには、狭き門となっていますので大関に長く在位すればするだけ、カド番回数も増えるというわけです。

以下の表は、大関に在位しカド番を多く経験した力士になります。

横綱に昇進した力士はいませんので、大関に昇進してからモタモタしていると横綱にあがるのは難しいということになってしまいます。

順位 四股名 角番 大関在位数 大関に在位していた期間
1位 千代大海 14回 65場所 1999年3月場所-2009年11月場所
2位 魁皇 13回 65場所 2000年9月場所-2011年7月場所
3位 栃東 8回 30場所 2002年11月場所-2004年5月場所
2004年9月場所-2004年11月場所
2005年3月場所-2007年3月場所
4位 小錦 7回 39場所 1987年7月場所-1993年11月場所
琴欧洲 47場所 2006年1月場所-2013年11月場所
琴奨菊 32場所 2011年11月場所-2017年1月場所
豪栄道 25場所 2014年9月場所-
7位 武双山 6回 27場所 2000年5月場所-2000年7月場所

 

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